・「導通する」の訳し方

 

クオリティ翻訳の坂井です。
電気関係の明細書を訳していると「導通する」という語句がしばしば現れます。
特に「~するとき、~と~とが導通する」という使われ方が多いように思います。


各種の技術辞書には「導通」という名詞には「
conduction」「continuity」という訳語がありますが、2つの素子が「導通する」という動詞の訳語を載せている辞書はほとんどないように思います。

私の理解では「conduction」の動詞形の「conduct」はある物質が自分自身の中に電気を通す(伝導する)ことを意味し、「continuity」は2点間または2素子間で電気が流れている、または流せることを意味しています。したがって「continuity」を使って2つの素子が「導通する」と表現する場合、「continuity is established between …」のような表現が考えられますが、あまり一般的ではないようです。

私は通常「~と~とが導通する」という場合には、「~と~とが電気的に接続する」と解釈して「are electrically connected together」(Google検索数約18万)というように訳しています。

また、「導通」は元々「電流が流れる」ことを意味しているわけですから、「the current flows between … and …」(約17万9千)のように訳してもいいと思います。


continuity」や「continuous」については、「導通」している状態を表すときに、「海野辞書」にあるように、「are electrically continuous」(約1万4千)や「there is continuity between」(約4万8千;電気関係以外の表現も含む)がよく使われているようです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

このサイトでは、特許翻訳会社クオリティ翻訳の社長兼翻訳者坂井が、クレームや明細書の語句の訳し方について語っています。