・「~したことを契機に」の訳し方

以前「~したことを契機に」という原文が出てくると、単に「~したときに」と解釈して「when~」のように訳していました。しかしあるとき顧客から「in response to」または「responsive to」を使うように指示され、「~したことを契機に」は「~したことに応答して」の類義語と考えるようになりました。

 

例えば、「前記移動端末からの接続開始リクエストを受信したことを契機に」(特開2005-277527)であれば

              in response to (or responsive to) receiving an access start request from the mobile terminal

のように訳しています。

 

動詞に主語がある場合、例えば、「前記サービス指定手段がサービスを指定したことを契機に、」(特開2002-351567)であれば、主語付き動名詞の形で

              in response to (or responsive to) the service specification means specifying a service,

のように訳しています。これは動詞部分を名詞に変えてもいいと思います。

              in response to specification of a service by the service specification means

 

responsive」は形容詞ですが、特許明細書などでは「responsive to」の形で副詞句としてよく使われます。

 

最後に、ネイティブの例文を挙げます。

・「in response to receiving the electronic acceptance of the new open position from the worker」(US Patent No. 7945468

・「in response to the user performing the first operation, automatically updating the …」(US Patent 6222538

・「responsive to the router receiving preauthorization from the controller to utilize a prescribed set of virtual sequential data storage locations,」(US Patent 6880040

・「in response to the application of a magnetic field by the magnetic field source」(US Patent 7834468 

 

 

 

 

このサイトでは、特許翻訳会社クオリティ翻訳の社長兼翻訳者坂井が、クレームや明細書の語句の訳し方について語っています。